他担がリューンを履修してきました 〜 ミュージカル「リューン〜風の魔法と滅びの剣〜」感想 ~

 

一昨年かな?リューンが決まった時、

丈橋がミュージカル!!しかも座長!!すごい!!おめでとう!!!!

っていう感じだったんだけど、当時やっぱり丈橋含めお兄ちゃん組って、同じ関ジュでも別世界で、別界隈で、自分の出る幕じゃないというか、正直あんまりリューン行きたい!とも思ってなかった。

でも、いざリューンが始まってみたら丈橋担がすごくすごく楽しそうで、それがすごく羨ましくて。

何回も何回もリューンに通って、楽譜作ったり、台本作ったりしてるの見て、いいなあって心の底から思って、いつかみちながちゃんも2人で座長やってほしいな〜なんて思ったりして*1

 

だから再演が決まった時は嬉しかった。

初演時は別世界だと思っていた丈橋もすっかり同じ世界になってしまったので、今度こそ見に行きたいな〜って!!

 

 

というわけで、初演は行けなかった(行かなかった)念願のリューン、行ってきました〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!

 

 

予備知識

 

お兄ちゃん組って別界隈だと思っていた割に周りには大橋担が多くて、しかもみんなリューンに取り憑かれてて、なんか目の前でセルフ再演とかしてくれてたのでもはやリューン見た気になってた。

リューン見たことないけどストーリーは知ってるし、劇中歌も歌えるし、セリフも知ってる。

いや見たことないのに歌えるのおかしくない???

見たことないのにジャンジャン滅びの剣でジャンジャン人を殺す〜〜♪とかふと口ずさんでたりした。物騒。

つまり内容も、歌も、演出も知ってた。シンメのシンメによるシンメのためのミュージカルだと聞いてる。

 

 

あらすじ

 

リューン・フロー(丈くん)とリューン・ダイ(大橋くん)は幼い頃ともに戦によって家族を失い村を焼かれた15歳の戦争孤児。2人はフローリアに拾われ、中立の立場を貫き調和を愛する平和の国・ルトフの里で生きることに。

フローリアの娘で同じく15歳のエルカと3人で仲良く大人に見守られながら過ごすフローとダイ。しかしある日3人は好奇心でルトフの里に封印されている滅びの剣を蘇らせてしまう。

3人が滅びの剣を蘇らせてしまったその時、カダ王国のダナトリアが滅びの剣を求めてルトフの里を侵略しようとしていた。

ルトフの民を次々と殺していくダナトリア。ダナトリアは、フローとダイの家族を殺し故郷を奪った張本人だった。復讐に燃えるダイは、滅びの剣を手に取ってしまう。カダ王国の者を次々と倒していくダイだが、仲間であるルトフの人々までも殺していく。

滅びの剣は、目にした人を全て斬り殺してしまう恐ろしい剣だった。

 

「もしも俺が道を誤ったときは、お前が救ってくれる。そうだろ?」

「うん、約束する。この身を挺してでも」

 

かつて、強くなるため剣士としての腕を日々磨くダイに、この身を挺しても守ると約束したフロー。

フローは、ダイを止めるには、ダイを守るには、ダイを殺すしかないんだと、エルカとファンルンとともに、敵も見方も皆殺しにして消えてしまったダイを探す旅に出る――

 

 

重いな!!!?!?!?!??!?!

重い話だって知ってたけど、想像の100倍は重かったぞ!!?!?!?

 

 

登場人物

 

リューン・フロー

すっげぇいいやつ(雑)

フローは魔法を信じていて、魔法使いがいれば家族を失うこともなかったのに…って思ってる。幻想に近いかな?

日々戦士として鍛えるダイのことを心配している。お人好し。

多分PTSD。10年前に家族が殺された時のことを、昨日のことのように思い出してしまう。

フローが歌うことで、滅びの剣を(一時的に?)止めることができる。

暗いとこ苦手そうだし頼りないキャラっぽいけど、この身を挺してでも守るんだっていう信念がめちゃくちゃ強い。強すぎて眩しい。

腕切られようが耳切られようが舌切られようが、ダイを殺すのは自分だと決して諦めない。

リアコ。

 

 

リューン・ダイ

魔法を信じるフローとは対象的に、そんなの伝説だよ〜って全然信じてない。

ダイは、家族や故郷を失ってしまったことを、自分がもっと強ければ……って後悔してる。だから、自警団のマーナムの元で訓練をしてる。ダイにとって剣は人を守るもの。

自分の家族を殺したダナトリアのことを恨んでいて復讐したいという気持ちを深層心理に持っているんだと思う。(だから滅びの剣を手にしてしまったし、滅びの剣に操られる)

滅びの剣を手にして人を次々殺していってしまうけど、滅びの剣に乗っ取られつつも、ダイとしての意識はあるので、皆殺しにしてしまった罪悪感に苛まれる。つらい。

 

 

2人もリューンって名前だけど兄弟なわけではない。2人の故郷ではみんなリューンって名前がつくらしい。

お互い家族も故郷も失い彷徨っているときに2人は出会い、フローが持ってたパンをダイが奪おうとしたところ、フローがパンを分け与えてくれて、2人は仲良くなった。

 

 

エルカ

フローとダイの幼なじみ。お転婆娘。

2つの満月が浮かぶ日に、ファランディーアの泉で、通過の儀でもらう箱を開けると魔法使いになれるんだって!とファランディーアの泉があった場所へフローとダイを連れて行き、3人で(ファンルンもいたけど)その箱を開けてしまう。

箱を開けてその中に書いてあった呪文を唱えたことで滅びの剣を蘇えらせてしまう。

母・フローリアのことが大好きだけれど、子ども扱いされることをよく思っていない。箱を開けようとしたのも、そんな心理から来てると思う。

可愛い。

 

 

ファンルン

魔法使いの研究をしているダイス先生の元に弟子入り志願中の魔法考古学を専攻する学生。

ダイス先生にお前も行けって言われて、フローとエルカと共にダイを探す旅に出る。

でも、どうやらファンルンも滅びの剣を探してたっぽいし、やたら戦いが上手いし、只者ではないな…?となってたらこいつ隣国ナタージアのスパイというとんだ裏切りものだった。

ファンルンが滅びの剣を探しているのは国のためというより自分のため。「ジャンジャン滅びの剣で〜ジャンジャン人を殺す〜♪」とか歌ってる。まさかの快楽殺人鬼。

フローの能力(滅びの剣を止めることができる)に目をつけ、フローと2人ならなんだって手に入る!みたいなこと言うけど、フローは「僕は君のためには歌わない!」と言うのでフローの耳を斬っちゃうし舌も斬っちゃう。やめて。

最終的に死ぬ。

 

 

ダナトリア

カダ王国の国王。フローとダイから家族と故郷を奪った張本人。

もし滅びの剣が存在するならばそれは自分たちにとって脅威になると、滅びの剣を求めルトフの里を侵略する。ナタージアに滅びの剣が渡ることを恐れている。

滅びの剣を手に入れるため、滅びの剣の次に強いドルデンの魔剣を手に入れるけど、フローの左腕で試し斬りをすることと引き換えにフローにドルデンの魔剣をあげちゃうし、

最終的に舌を切られて歌えなくなってしまったフローを、魔法道具使いに舌を戻してあげるよう命令してフローの舌治しちゃうし、

滅びの剣を探してたのも、他国の侵略のためというよりは、他国に滅びの剣が渡って自国が攻め込まれないようにするためだし、

根はいい人なのかなって思う。割と自分にメリットないことしてる。

最終的に死ぬ。

 

 

ダイス

魔法使いの研究をしてる研究者。

けど本当の姿は滅びの剣の生みの親であるガンドラ王。全ての元凶。

国王だったが、民衆が国王より、当時は存在していた魔法使いを崇めるようになり嫉妬心で魔法使いを殺してしまう。そのときの剣が滅びの剣となってしまった。

1000年生きている。魔法使いを殺してしまい途方に暮れていたとき、風の魔法使いに滅びの剣を封印する代わりに、死なないようにされこの世を託された。

けど最終的に死ぬ。

 

 

その他の登場人物

なんかみんな大体死ぬ。

 

 

 

音楽

 

全体的に民族音楽っぽくて、すごく耳に残る。めちゃめちゃ曲がいい。リューンがこんなに観客の心を掴んで離さないのは音楽がいいからなんだろうなとも思える。

ルトフの里では3が調和の数字だとされていて、だから劇中の曲も基本は6/8か12/8(もしくは4/4の3連符)。6/8拍子の曲が多いので、みんな基本は騎馬民族かな?

元々この情報は知っていたので拍子に注目しながら聴いてたけど、たたら島(武器を生産し続ける島)での曲とファンルンの裏切りの曲は4/4拍子だった気がする。他にもあるかも。

ファンルンの曲に至っては全く民族音楽ではなくてゴリゴリにロックだった。

 

 

演出

 

なんと舞台のセットは舞台最後方にある紗幕と3段くらいの階段のみ。背景もなにもかもプロジェクションマッピング

基本の演出がプロジェクションマッピングだから、役名も出るし歌詞も出る。

オビオテ族っていう民族が出てくるんだけど、この人たち喋るのもオビオテ語だからまじで何言ってるのかわからない。でも紗幕に日本語訳が映し出されるので理解できる。

プロジェクションマッピングだからできる演出だな〜と思った。

 

 

感想

 

正直、ちょっと舐めてたなと思う。

前評判はめちゃくちゃよかったし、本当に素晴らしい舞台だと聞いていたけど、それでもやっぱり完全オリジナル・ミュージカルだしなみたいな思いがあった。多分。

もっと制作費があればもっと壮大な作品になったのかなという感じはあったけど、それでも素晴らしいミュージカルだった。

1回の観劇である程度の内容は把握できるけど、疑問点もたくさん残る感じがちょうどいい。きっとたくさん伏線が散りばめられてるんだろうなと思う。考察しまくりたいし、何回も足を運んで答え合わせをしたいと思える舞台。

あとカンパニーがすごく温かいな〜と思った。作品中は幼いフローとダイとエルカを大人たちが見守るという構図だったけど、実際もそうなんだろうな。

若い演者を、実力者の大人たちが支える図が微笑ましかった。

 

エルカが本当にとてもよかった。

歌もすごくうまいし、セリフも聞き取りやすいし、なによりめっちゃ可愛い。ビジュアルもそうだけど、セリフの言い方がめちゃめちゃかわいい。すき。かわいい。

一言セリフを言うだけで、どんなキャラクターなのかすぐわかる。ハマり役なのかな?とてもよかった。

 

重い話だってわかっててもそれ以上に重いと感じたし、正直観劇後は「これ何十回も見られる丈橋担やばくない…?メンタル崩壊してるんじゃ…?」とさえ思った。

でも気付けばリューンの曲を口ずさんでしまってるし、1日経てばまた見に行きたいと何度も何度も心の底から思うようになった。多分、ミュージカルだからなんだろうなと思う。音楽があるから救われるんだろうなって。

これがストレートプレイの作品だったら心死んでたと思う。1週間くらい回復できなさそう。

 

平和とは何か、争いとは何か、調和とは何か、人間とは何か。

色んなことを考えさせられる作品だった。

マーナムも、ダイも、平和を守るために戦士の道を選び、目指すけど、平和を守るために戦うって何だろう?とぐるぐる考えた。平和を守るために戦う。大切な人を守るために殺す。それって本当に正しい道?もしそれが正しい道じゃなかったら、じゃあ正しい選択って何?掘り下げれば掘り下げるほど、考えさせられることがわんさか出てきそうな作品。是非また再演してほしいなと思った。続けてほしい。

 

 

丈橋

 

2人の演技を松竹座以外で見るのは初めてだった。

2人がどんな演技をする人か全然知らなかったし、標準語を話す2人を知らなかった気がする。

丈くんに関しては、歌はあんまり得意じゃないんだろうなと思ってた。松竹できみメロ歌ってた時も歌いにくそうだな〜と思ってた。

リューンでは低音パートが多かったけど、聞き取りづらいなと思うフレーズもあった。でも私の知ってる丈くんの歌声じゃなくて、丈くんってこんな歌声出せるんだ!?ってちょっとびっくりした。知らないだけだったのかな?

松竹で聴いてるよりうまかったし、歌のポテンシャルは高いんじゃ…?と思った。

あと舞台上でもリアコなんだわ!!!

何なの?普段もリアコなのに役もリアコって何???全ての役をリアコにしてしまう能力でも持ってるの??

初演のときはどうだったのか気になる。再演で余裕が出たからこそのリアコみなのか元々なのか。

丈くんすごくピュアで素直でウブな演技をするので、色んな役を見てみたいな〜と思った。

積極的に俳優業をやってほしい。すごく楽しみ。

 

大橋くんは、歌い始めるとステージはもう自分の世界で無敵だ〜〜みたいなタイプじゃなくてめちゃめちゃ頭で考えながら歌ってそう。高音が得意で、緊張しいなんだろうなっていうのが、元々の印象。

でもリューンでびっくりした。最低でもいつもの10倍くらいうまくない??????

大橋くんって、歌に関してはポテンシャルは高くてもステージ上では100%の力を出せないタイプなんだろうな〜って思ってたから、ステージ上で伸び伸び歌ってる姿に驚いた。役に入り込んで歌うのが向いてるのかな?

ミュージカルファンに受け入れられるには厳しい道のりだろうけど、ミュージカル向いてそうだなって思ったから是非ライフワークにしてほしいな。すごく生き生きしてた。

あとバーチャルの配信見てても思ったけど、大橋くんって演じてても大橋くんみがあるよね。ダイもところどころ大橋くんっぽいなって思った。役に自分を落としこむのがうまいんだろうなと思う。

例えば重岡くんって、どんな役でもしげまんまやん!って思うけど、今まで演じた役を比べると全然違うんだよね。何が怖いって、あんなに重岡くんそのものじゃんって思う演技なのに、メンバーに「普段のしげ全然あんなんちゃうで」とか言われちゃうの。

大橋くんもそういうタイプなのかな??役に自分を落としこむの、意識してやってる??それとも無意識??

 

あとこれは2人ともに言えることだけど。

あんなにシリアスな役をやっておいて、カテコになったらケロッと丈橋になって出てくるのヤバイ。

なに?なんでそんなケロッとしてられんの?サイコパス???サイコパスなの?????

 

 

最後に

 

音楽劇なるものはここ最近もよく観に行ってたけど、ミュージカルを観たのはなんとフォエプラぶりだった!!!3年ぶり!!!

久々にミュージカルを観劇して、やっぱりミュージカルっていいなあと思ったし、もっともっと色んなジャニーズにミュージカルをやってほしいなと思った。いつまでもジャニーズはミュージカルがベースの事務所であってほしい。

リューン、シンメのシンメによるシンメのためのミュージカルだと聞いてたけど、そのとおり、シンメとシンメ厨のためのミュージカルだなと思いました。

だってシンメがシンメを守るためにシンメを殺しに行く話なんてシンメ厨が黙ってないじゃん?????

でも、どのシンメにでもやってほしいかと言われればそれは違うくて、丈橋だからできる作品なんだろうな〜とも思った。

 

 

「もしも俺が道を誤ったときは、お前が救ってくれる。そうだろ?」

「うん、約束する。この身を挺してでも」

 

 

………やっぱり、色んなシンメでも見てみたいかも。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*1:って思ってたらすぐに少年KABUKI決まって、いやそんなつもりでは…ってなった。いい思い出。